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ブログタイトルがスベっているのは作為的なものです

家屋は住む人がいなくなると一気にダメになる。

 

今回、故あって10年以上前に住む人がいなくなった家の片付けに赴いた。家の取り壊しが決まって業者が入る前に価値のあるものや思い出の品を引き上げてしまおうという算段だった。

 

その家には自分もまだ人が住んでいた頃に何回か訪れたことがあった。当時のイメージとしては古いが手入れの行き届いた温かみのある家屋だった。10年以上も人が住んでいないと情報として理解していても頭のどこかで以前訪れた時のイメージを抱いたまま家の敷居を跨いでしまったのだろう。

 

雨漏りの跡や天井が落ちてきた台所、物が山積みにされた風呂場や柱が傾いて開ききらない障子など「退廃」という言葉を具現化したような屋敷の様子にKOされてしまった。もはや元の持ち主が着ることのない衣類が山積みになっている様子がいたるところに見られた。片付けをしながら感傷と感情がその働きを止めるのは意外と早かったように思った。燦々たる有様の室内にたちこめる空気は、昔に踏み込んだ家の匂いをたしかに孕んでいて、目の前に広がる光景は昔の団欒があった光景と紛れもなく地続きの同一時間軸上にあることをどうしようもなく思い知らされた。

 

家は空き家になると一気にダメになる。